しんみり

少年版新装、装丁高野文子だとさ

なんかおしめり野郎ぎみだ。


  • きょうのホンホン

チボー家の人々』(デュ・ガール)



おもろないにせよおもろいにせよ、
「ここ」とは違う時代の違う場所で書かれたものを読むのに
ひとつだけ必ず残されている愉しみがあるとすれば
きいたことのない一般名詞について調べることにつきるような。
別にそれがあえて『レ・チボー』である必要も正直、ありゃせんが
イペリットガス」*1とかさ(いきがかり上)。
つうかつうか「ヌイユ」(きしめんみたいなの)とか「エスカロップ」(にくの薄切りのソテー)とかよ。
……かっこつけて悪かった、嬉々として調べるのはすべて食いもんの一般名詞です。
小学校くらいからある時期まで、
なんかをよみはじめる基準が、
ぱらぱらめくったページに知らない、
語感から想像もできんくいもんの名前が目にとまるかどうかに尽きたこともあった。
だから「牛鍋」しか出てこない小説はまったくそそらなかったし
「ミントチョコレート」やら「トフィー」やら「トライフル」やら
田舎のはなたれにはよくわからん「名前」だけが目当てで
「文学的価値」皆無の少女小説しか読んでなかった。
(『おちゃめなふたご』の寮での「真夜中のパーティ」なんて
その行為のステキさじゃなく
食いもんの一般名詞の素敵さしか見てなかった。
オイルサーディンとか、実際うまそうかどうかは問題じゃなかった)
そのおかげかどうかはいざしらず、
金井美恵子がクレープ・デ・シン*2やらサッカー*3なんて一般名詞がばんばこ出てくる自分の小説を
男の批評家に、その部分のせいで「よくわからない」でかたづけられた憤りはよくわかる。
ちゃちかもしらん細部に淫することこそ本を読むことじゃねえか、としょうがない食い意地をとりあえず止揚

  • きょうのぴこぴこ

FC「ゲゲゲの鬼太郎妖怪大魔境」(バンダイ


しっかしねずみ男が単なる悪党なのが解せん、
ねずみだけにもっと灰色なやつだったはず。
なにげにくそゲーメーカーだから、なにやってもまあなで許されるのだろか*4
昔は2面のボスの倒しかたがいっさいわからず、
また、わからんことに大してなんら不満も疑問どころか、
へたすりゃわかってないことの認識、
この先まだまだ長く倒されるボスが存在していることの認識すらなかったが
いま現在、体調によりけりで2周半くらいなら可能になったことをもって
えれえ大人になったこととできますかどうか。

*1:一次大戦で使った毒ガスで、日本も広島で生産してたんだとよ、広島で

*2:「薄くのばした」ってとこは同じでも小麦粉ではなく服の生地……なんつって、これは『噂の娘』ではなく『目白雑録』に出てくる生地でしたとさ。かすっちゃあいるけど、や、おはずかしいかぎりで

*3:蹴球は好きですが、それとも違います。なんつって実はこんなの『目白雑録』にすら出てこないのがわかりました。やっぱり蹴球が好きなだけだったんで、ややおはずかしいかぎり(うそこけ)

*4:そういえば、子会社のハピネット・ピクチャーズもなにげにくそ、や、バカ映画配給に徹してはいませんか